「一口寄越せ」
「うん、いいよ」
聡子は自分が食べる前に私にハンバーガーを向けてくれる。
優しい。聡子。
遠慮なくがぶっと齧りつく。
「…うん、うまい?かも」
「何その反応」
私の微妙な反応に、シゲが吹き出した。
「てか、こっちも新作なんだよ。聡子、ハイあーん」
自分のバーガーも聡子にあげると、聡子も同じ様に齧りつく。
それから首を傾げた。
「…こっちも微妙?」
「ぶはっ、なんだ、お前ら」
シゲは定番、安定のビッグマック。
しかも、それだけじゃ足りないらしく、ハンバーガーまでつけている。
さすが、成長期の男の子。
「じゃあ、シゲも食べてみなよ」
「そうだね、シゲも食べるべきだ」
聡子と私は同時にバーガーをシゲの前に突き出した。
そのバーガーに素直に齧りつくシゲ。
二人のを食べてから、シゲは暫く黙っていた。
それから、首を傾げる。
「…やっぱ微妙?」
「あはは」
でしょーって聡子と私で言うと、三人で笑い合った。



