LOVE School Life Ⅰ【完結】


「絶対そんな事ないのになあ」


そう言いながら、秋人が私の手を取って絡める。
反対の手で、机にあった私のカバンを持つ。

私が何か言うより先に。


「まあ、いっか。行こうか、愛ちゃん」

「うん」


秋人と他愛ない会話をしながら、帰る帰路は正直楽しかった。
この感情は嘘ではない。

秋人から出る会話は豊富で、私よりも様々な経験をしてるんだってわかったし。
それに相手を楽しませる事に長けているから。

これじゃ、一緒にいたら好きになるのもうなずける。


その日はどこにも寄らず、真っ直ぐに私の家へと向かった。


「秋人、ここでいいよ」


今朝、待ち合わせした交差点に差し掛かった時に、私がそう言った。
秋人から、自分のカバンを受け取ろうとするが、秋人は手を離さない。