LOVE School Life Ⅰ【完結】


二人に背を向けると、私は自分の席に着く。
カバンを置いたら、

「雪村、おはよー」

そう声がかかった。


くるっと振り向くと、そこにいたのは窓際男子の一人。


「…タムっち」

「ぶは、タムっちってのは辞めてよ」


ああ、朝から爽やかだ。
タムっち。

田村ってのはわかってるんだけど、もう、タムっちにしか思えない。
ごめん、結城の所為で。

タムっちの黒髪短髪がキラキラしている。
真っ白な歯が口元から覗いていて、彼もモテるんじゃないかなあって思った。



「雪村は部活とかしねえの?」

「部活?」


そんなモノ、初日からの慌ただしさで、一ミリも考える暇がなかったわ。


「うちのマネージャーやれよ、暇なら」

「マネージャーって、タムっち、何部なの?」

「サッカー」

「…っぽいわ」

「何だよ、ぽいって」