翌朝、朝ご飯を食べたり、準備を終えてから外に出ると既にそこには秋人がいた。

いくらなんでも来るの早すぎだろ。
つか、着いたなら連絡ぐらいして欲しい。


「おはよ、愛ちゃん」

そんな事を思ってる私に、笑顔で挨拶をする秋人。


「おはよ」

「行こうか」

「うん」

「ん」


秋人は私の前に手を出すと、私のカバンを掴んで自分のカバンと一緒に持つ。
それから、空いた手で私の手を握った。


「…ありがと」


本当に、彼氏彼女になったんだ。


「俺って優しいじゃん」

「……うん」

「あれ、珍しく突っ込まない」

「だって」


秋人は本当に優しい。
自分のカバンぐらい、自分で持てるって思っちゃうけど、これが秋人の優しさだから。

それに甘えて、女の子が調子に乗ってしまうのかもしれない。
可愛かったりしたら、特に。




「だって、何?」

「何でもないです!」

「ええ!?」


だけど、秋人には言ってやんない!なんか、悔しいから。


「…愛ちゃんって、本当に」

「本当に何」

「何でもないです!」


さっきの私の言い方を真似する秋人。
似てないって。