モテる事って、羨ましがられるけど。
本人達は色々苦しんでるんだ。
その人にはその人の事情があるから。
秋人の時折見せる顔は、過去の何かから来るモノだって事はわかった。
そんなの、私がまだ聞いてもいい内容じゃない。
いつか、秋人から話してくれるなら。
その時はたくさん聞いてあげよう。
私はぎこちなく笑う秋人を見ながら、そう思った。
「そういう愛ちゃんは?」
「え!?私!?ないない、いない」
急に振られて、思った以上に動揺する私。
わあー。
何、全力で否定してるんだよ、私は。
「そっかあ、じゃあ、俺ヤキモチ妬かなくていいんだ」
「あはは」
「本当にさっき、瞬をどうにかしてやろうかと思ったし」
「あ、あははは」
あー渇いた笑いしか出ません。
「明日から、また迎えに行っていい?」
「うん、いいよ」
「いいの?」
「いいよ、彼氏でしょ?」
「…うん!迎えに行くからね!嬉しー」
「あはは、大袈裟だな、秋人は」
秋人は一々、リアクションがオーバーなんだ。
でも、それが面白いとか思ってしまう。
きっと、それが思うツボなんだろうけどね。