「愛ちゃん、俺、このチョコケーキスペシャルクリーム」

「……甘そう」

「甘いの好きじゃない?」

「うん、あんまり」

「うっそ!」


心底驚いた顔で私を見る秋人。
いや、女の子にだってね、甘い物好きでない子もいるわけよ。

皆が皆、ピンクにフリルが好きなわけじゃないんだからさ。
寧ろ、私は少し苦手な方。
可愛い物は好きだけどね。


「えー、じゃあ、惣菜系にする?」

「うん、このポテチキがいい」

「…俺もそれにする」

「いや、秋人は好きなの食べなよ」

「ううん、食べる」

「ああ、そう」


無理する必要なんかないんだけどなあ。
つか、好きなの食べろって。


メニューを店員さんに頼んでから、私が財布を出そうとすると秋人がそれを制した。