「俺が先にこの落書き取っちゃうからねー。
愛ちゃんはもう落書き出来ません!」
「………」
こいつ、まじでプリクラを熟知してやがる。
これは隣の人が落書きしてる写真は落書き出来ない仕様のプリクラ機だった。
「男のくせに」
「何か言った?」
「いや、何も」
「俺、詳しいからね。プリクラ」
「……」
聞こえてるじゃねえか。
この野郎。
ちらっと秋人の落書きを見ると、愛と秋人の名前の間にハートマーク。
更にはラブラブなんて書いている。
「……嘘は書くな、嘘は」
「嘘じゃないもん。これから本当になるから」
「ハイハイ」
「ベコッ!!」
声に出すな、声に!
いや、声に出されなくてもうざいな。
「愛ちゃんが冷たい~、いいもん、この中の愛ちゃんは俺とラブラブだから」
「……気持ち悪いわ。それに私はいつもこんなです」
「うん。知ってる」
「そうか、ならよかった」
「愛ちゃん、大好き」
その瞬間、ちゅっとほっぺに何かが触れる。
目が点になる私。



