当日

私は初めての浴衣で集合場所に立っていた

早く来すぎたかもしれない
集合時間の30分前だ

一番乗り

呼ぶ友達は
あいつが呼ぶって言ってたから
私は何もしていない

夏祭りの
美味しそうな匂いを嗅ぎながら待っていると


「美里ー」

あいつが来た
私は軽く手を振ってみた
あっちも返してきた

...

少しの
ほんの少しの沈黙の後

...

「行こうぜ」

えっ!?


私は声にできたか覚えていない
それくらいの速さで私の左手首を持って


あいつは走った

それに合わせて私も走った


あいつの速さについていけない私は
慣れない浴衣でとりあえず走った

走った
走った
走った

息切れしていてもあいつはお構いなし