恋に落ちた、その先に。

「私もさー、なぁんにも言えなくって。だっていっつもあんなお調子者なのに、ヤケにボソボソと語るからさぁ。考えらんないよ、あの純が。…ずーっと一途に一人を想ってたんだもんね」





ずーっと、一途に…。





「あれは…いつだったかな。中学二年生だったっけ。…美衣が同クラの子に告白されたとき。…覚えてる?」






「…うん」





「あのとき美衣が下駄箱に呼び出されて、私たち校門で待ってたじゃん?」





…そうだね。




あの時期は、純とその中学の友達と…みんなで帰ってた。





楽しかった。




「純ね、美衣がなにかされてないか心配で…どうしようもなくあたふたしてたんだよ?あれは笑えたね~。今でも笑えるほどキョドってた」







…うそだ。




うそでしょ?





…だってあのとき純は…。