恋に落ちた、その先に。

後ろから私の肩に、手が置かれた。





後ろから香るにおいは、あの人のもの。






「…すみません。うちのメイドなので、お手柔らかにお願いします」





橋本くん…。




決して営業スマイルではないけど、ずいぶん執事を頑張っているみたいで…。




口調が優しい。





「…い、いや…別にその…な?」




「な、なぁ…」




「あ、おい、そういえば用事あるだろ?もう出るか!」




「あぁ、そうだな!では、ごちそーさんでしたー」






そしてその三人は、そそくさと店を出て行った。





「…ありがとう」




「ったく、気をつけろよ。世の中には、あーいう奴もいるんだぞ?」




「う…ん」