「お前に負けないくらい、美穂の事好きだよ。

・・・でもな?肝心の美穂の気持ちが、

ずっとどんな時も、お前の事しか見てくれない。

諦めるしかないだろ?」

そう言って溜息をついた誠。


「・・・三谷先輩、ごめんなさい」

罪悪感で一杯な美穂は、今にも泣き出しそうな顔で

誠を見つめている。


「…バカ、そんな顔をするな。

本当のここから連れ出しちまうぞ?」

誠の言葉に、オレは思わず美穂の手を握る。


「光世、頼むからそうやってちゃんと、美穂の事捕まえとけ。

そうじゃなければ、オレがどんな手を使ってでも奪う。

…美穂、光世に、幸せにしてもらえ・・・

オレは仕事で精一杯、サポートしていくから」


…この時、誠の顔が、スッゲ―カッコよく見えた。

誠なら、美穂の事を、本気で幸せにしてたんだろうな。

ふとそんな事が頭をよぎったが、それは口にしなかった。


誠の言葉を聞き、美穂は泣き出してしまった。

誠の優しさが、嬉しかった、悪いコトをした、色んな気持ちが交差して。

オレは片手で美穂を抱き寄せた。

誠は、困ったように笑って美穂の頭をポンと叩いた。

「オレは帰るよ、美穂の事頼む」
「・・・あぁ」