冷たい上司の秘密の誘惑

仕事の帰り道、三谷先輩の誘いで、

居酒屋さんに入った時だった。

突然の言葉にドキッとする。

…告白されたのはもちろん覚えている。

返事をしないまま、それでもこうやって仕事を一緒にしてくれて、

ずっと変わらずに私に接してくれてる三谷先輩。


「…返事も出来なくて、ごめんなさい」

私はそう言ってシュンとなる。


「ハハ、バカだな。気にするなって言っただろ?

そりゃあ、オレの事好きになってくれたら、それほど嬉しい事はないけどさ?

無理強いして、好きだと言わせても、付き合えたとしても、

長続きはしないしな?こうやって、一緒の仕事したり、

飲みに行ったりして、オレの事もっと知ってよ。

美穂が、オレを好きだと思ってくれたらさ、言ってくれたらいいし、

そうじゃないなら、このままでもいいよ」


そう言って、三谷先輩は、ビールを一気に飲み干した。


「・・・三谷先輩は、大人ですね」

そう言って溜息をつく。


「何で?オレって案外子供っぽいかもよ?

普段は大人の皮をかぶってるだけで・・・

美穂だって、十分大人だよ。仕事も一人前になったしさ、

知ってるか?最近、美穂が綺麗になったって、

同じ部署の野郎どもが言ってるの」

三谷先輩の言葉に目を丸くする。