冷たい上司の秘密の誘惑

「このキスマークは、何の為です?

こんな物を付けられたせいで、私は・・・」


…そこで、美穂のパソコンは電源が切れた。


「なんだ、その先は?…誠と付き合えないって?」

「違います!」

そう言った美穂は、振り返ってオレを睨みつけた。


「・・・じゃあなんだよ?」

「…篠田部長、これ以上、私をオモチャにしないでください。

これ以上、私に近づかないでください・・・・から」


「・・・え?」

最後の方が、聞き取れなかった。

・・・だが、彼女が相当傷ついているのは事実。

これ以上、美穂には、近寄っちゃいけない、そう思わされた。


・・・頭では分かった、理解できた。

でも、体は無意識に動いていた。

美穂が、泣いてる・・・声も出さずに。

オレは立ち上がり、俯いてる美穂を抱きしめた。



「…離してください」

震えた声で美穂が言う。

「…離さない、お前を泣かせたいわけじゃない。

傷つけたいわけじゃない」

心からそう思う。オレはただ、美穂が欲しいだけ。