冷たい上司の秘密の誘惑

【光世side】

イライラしていた。長い会議から戻ってきて遭遇したのが、

ラブシーン。・・・しかも、美穂と誠の。


嫌がるわけでもなく、美穂は誠に抱かれていた。

いや、正確には、驚いて固まっていただけかもしれない。

オレの顔を見て、美穂は更に驚いた顔をした。


誠の言葉にイチイチ腹が立って、それでも、冷静に返す自分が、

尚更腹が立った。

本当は、関係ないなんて言いたくなかった。でも、

美穂にやったこともあったから、そう言えなくて。


…気が付けば、美穂も誠もオフィスからいなくなっていた。

一人になり思わず深い溜息をつく。

そんな時だった。慌てて帰ったであろう美穂のデスクのパソコンが、

電源はつきっぱなし。しかも、仕事も途中だった。


…何とか話が出来る、そう思い、迷わず美穂の携帯を鳴らしていた。