冷たい上司の秘密の誘惑

・・・って。

「…部長」

「・・・ん?」


「部長って、本当に料理得意なんですね」

「…そうでもないぞ、簡単なものくらいしか作れないし。

ほら、それより、乾杯」


「・・・あ、はい。って言うか、

何で私はノンアルコールビールなんですか?」

そう言ってふて腐れる。


「当たり前だろ、お前は、酒に弱すぎる。

ビールの味だけを楽しめば十分だ」

澄ました顔で言い放った篠田部長。


「部長は、タップリアルコール入ってるくせに」

そう言ってブー垂れる。


「オレは酔わないから問題なし」

そう言った瞬間、私の缶に、自分の缶をあてた。

・・・まぁ、仕方がないんだけどね、本当に弱いから。


「部長、終電までには、解放してくださいね」

部長作のおつまみをいただきながら、そうボヤく。


「誰が、帰すと言った?」

「・・・へ?」

部長の言葉に、目を丸くする。