冷たい上司の秘密の誘惑

「あの、全部私がいけないんです。

だから三谷先輩を怒らないでください」

そう言った美穂の目には、溜まり過ぎた涙・・・

その涙は、堪えきれなくなり、ポトリと落ちた。


「久保が気にする事じゃない」

誠は優しく美穂の肩に手を置いた。

それが更に気に入らなかった。


「顔、洗ってきます」

逃げるように、美穂はオフィスを出ていった。

それを俺は追いかけるのが一歩遅れた。先に追いかけたのは、

誠だった。


気になって、気になって・・・

オレは、2人を探した。まだ出社時間前。

社内はほとんど人はいない。


「…ッ!」

オレはその場から動けなくなっていた。


誠が、泣いてる美穂を、ギュッと抱きしめていたから・・・