冷たい上司の秘密の誘惑

次の日から、篠田部長は、会社のギリギリまで、

一緒に出社するようになった。


美穂が心配だからと。


帰りも、必ずと言っていいほど、同じ時間に帰宅するようにしてくれた。

仕事が終わらなければ、家に持ち帰り、

何があっても、私は一人にならないように。


そのおかげか、私を追いかける人影は無くなった。

…でも、時々、やっぱり視線を感じる事はあった。


「最近、篠田部長と仲がいいよな」
「?!!」

突然、資料室の中、背後からそんな声が聞こえて、

心臓が止まるんじゃないかってほど、驚いて、私は手に持っていた

資料を落としてしまった。



「ゴメン、驚かせるつもりはなかったんだけど」

「・・・三浦さんでしたか、驚かせないでくださいよ」

相手が三浦さんだと分かり、ホッとため息をついた。


三浦さんは、資料を拾うと、私に手渡してくれた。


「でも、ホント、篠田部長、美穂ちゃんにベッタリだよな?」

「そ、そうですかね?」

私は何でもないって顔で応える。