冷たい上司の秘密の誘惑

「エ~?!見えない。でも、篠田部長になら、

怒られてもいいかも~」

「・・・」

先輩のハイテンションに、ちょっぴり引き気味の私。

…でもちょっと優越感。

家に帰れば、篠田部長も、同じ家に帰ってくる。

夜には、私をしっかり抱きしめてくれるから。



「あ。私こっちだから、お疲れ様~。

久保さん、可愛いから、不審者には気をつけなさいよ~?」

「ハハ…気をつけます」


…不審者か。

まぁ、心配ないか。

こんなに人通り多いし。駅から、篠田部長の家まで、

10分かからないし。


そんな軽い気持ちで、家路についた。

…駅に着き、誰かの視線を感じた私は振り返った。

…誰もいない。正確には、私を見てる人なんていなかった。


前にも、同じことがあったような気がした。

・・・そうだ、会社で。

会社以外で、人の視線を感じたのは初めてだった。

…不審者?

まさか、ね。

私はまた歩き出す。…駅を降り、マンションまで歩いていると、

また視線を感じた。それだけじゃなく、足音まで。

・・・流石に怖くなって、足を速める。

すると、その足音も同じように早くなる。