冷たい上司の秘密の誘惑

【光世side】

休み明け。一番にオフィスに入った、と思ったが。

オレより先に出社してる社員がいた。

・・・久保美穂だ。

彼女は先に済ませなければならない書類は、休日前に

終わらせていたはずだった。それはすべてオレが確認済みで、

なぜ、今、美穂がいるのか、不思議だった。


「・・・早いな」

「ギャッ・・・おはようございます」

「・・・」

オレが声をかけると、必ず悲鳴を上げるか、大きな溜息をつく。

そんなにオレの事が嫌いなのか?

美穂は確かに仕事をするにはまだまだ半人前で、

毎日のように怒っている。それは、美穂を一人前の社員にしたいだけで。


誰にも言えないが、叩いてもめげない美穂が好きだ。

その好きは、美穂の性格が、と言う意味で。

女は怒るとすぐに、ピーピー泣くか、文句を言う。

だが、美穂は、睨みはするが、オレに応える為に、何が何でも仕事を

しっかりやり遂げる。


「デ?なんでこんなに早いんだよ」

「・・・仕事を任されてるからです」


「…誰に?」

「それは・・・」

半人前の美穂には、まだしっかりした仕事は与えていない。

それなのに、任されている仕事の内容を見ると、かなりの難問。