冷たい上司の秘密の誘惑

「久保、もう遅いから帰れ」

午後9時。パソコンを打っていると、頭上からそんな声が聞こえた。


「…篠田部長。もう少しで終わりそうなんです。

これが済んだら「ダメだ」

「・・・」

私の言葉を遮るように、言葉をかぶせた篠田部長。

私は口をつぐんで、篠田部長を見上げた。


「…前のような二の前にはなりたくないんだ。

体を大事にしろ、後はオレがやっとくから」

「でも」


「久保に無理をさせる為にここに来たんじゃない。

さぁ、帰り支度して帰りなさい」

そう言って優しい笑みを浮かべた篠田部長。

…私は全然平気なのに。だって、いつもこうやって篠田部長が

傍にいてくれるから。あの時のように、誰かに弱みに付け込まれる事はない。


「篠田部長が、倒れちゃいますよ・・・

こうやって何でもかんでも一人で背負っていたら」

そう言って心配の目で篠田部長を見る。


「心配してくれてるのか?」

…コクリ。小さく頷く。


「…バカだな、これでも体だけには自信があるんだから。

帰ったら、誰かのおかげで、疲れも吹き飛ぶ・・・

オレの癒しが、いるから」

…それは私?