冷たい上司の秘密の誘惑

【光世side】

「はい、これ着替え、ブカブカだろうけど、

今夜はこれで我慢しろよ」


「エ、あの…」


「はい、風呂場はあっち」

「・・・」

しばらく着替えを見つめていた美穂だったが、

オレが本気だと言う事に気が付いたのか、

溜息をついて、指差されたバスルームへと、トボトボ歩いて行った。


…美穂が見えなくなり、思わずソファーに座り込む。

はぁ~っと、深い溜息をつく、頭を抱えた。


・・・正直、自分がしでかした行動に驚いていた。

美穂を自分の家に連れ込み、尚且つ、同棲を強要した。

自分のありえない行動に、ただただ驚くばかり。


静かな部屋に、シャワーの音が、かすかに聞こえる。

…今、あのドアの向こうに、美穂がいると思うとたまらなくなる。


自分の抑えていた気持ちが溢れ出しそうで、

それを必死に抑えようとした。


埼玉に来るのは、容易な事じゃなかった。