冷たい上司の秘密の誘惑

「・・・」

「誠を思いっきり殴ったから、この話は終わりだ」

「?!!」

篠田部長の言葉に、バッと顔を起こして、

目を見開いた。

篠田部長はそれを見て笑った。


「目、デカすぎだ」

「…だって。三谷先輩を殴るなんて・・・」


「アイツの承諾の上だ。だからお前が気にする事じゃない」

「・・・昇進の話しはどうなったんですか?」


…どうしても気になっていた事だった。

「…それは、美穂には関係のない事だ」

そう言ってはぐらかした篠田部長は、私から目線を逸らした。


…どうして教えてくれなかったのか、

凄く気になったけど、それ以上詮索しなかった。


「私、帰りますね」

…これ以上、篠田部長と一緒にいちゃダメだ。

借りにも私は左遷されて来た身。

篠田部長に、変な噂が立つのは嫌だった。


「帰さない」

そう言った篠田部長は、私の手首を、ギュッと掴んだ。