×愛実SIDE×

「あれっ、もうこんな時間じゃん!」

ふと時計を見れば、もう8時30分だった。

「もう帰ろっかぁ」

あたしたちは学校近くの倉庫まで行き、バイクを置いて徒歩で帰る。

あたし、凪、美結で。

「爆走ってさ。来週の金曜の夜でしょ?
美結もバイク乗りたいなぁ...」

「バカ。お前死にたいのかよ!
サツに捕まっておしまいだぞ。」

そう。爆走は警察に見つかる。

だから総長の代わりが必要なんだ。

いわゆる囮だ。

「ねえ、あたし囮やりたいかも。」

「はぁっ!?
ダメに決まってんだろ!今回は弘毅だ。」

げっ、弘毅がやるとか。

絶対あたしの方がマシでしょ!