「…えーと、もしもし警察ですか? 怪しい人が不法侵入を」
僕はケータイを手に取り、そこに向かって話し始めた。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってください!」
サンタの女の子は慌てて僕のケータイを取り上げた。
「あ、あの、警察の方ですか?私は怪しいものではなくてサンタでしてーー。…あれ?」
彼女は、受話器の向こう側から音がしないことに気がついたようだった。
彼女は僕のほうを向く。
僕は首を横に振った。
「…ひどい。騙したのね」
そう言った彼女は、不覚にも可愛かった。
「…っ、それで? そのサンタさんが何の用だよ、僕に」
閑散とした一人暮らしの部屋の中。
僕は彼女にそう言い放った。
「何って、サンタと言ったらプレゼントです! あなた、プレゼントに何をお願いしたか覚えてないんですか?」
「…お願い? …ってまさか」
僕は、昨日叫んでいた独り言を思い出していた。
「はいっ、私、あなたの彼女です♪」