「おっ、君が美咲ちゃんの紹介の! 期待してるからね!」
おじさんは愉快そうに笑う。
僕は美咲先輩の紹介で、空いている休日にサンタデーのバイトを始めた。
目標額までの道は険しく、かなりの苦労を強いられるだろう。
「美咲ちゃん、ありがとうね。うち人手が足りなくてさ!」
「いえいえ!私、人を見る目だけはあると思うので!こき使ってあげてください!」
「ちょっ、先輩!」
「たくさん働きたいんだよね? そうだよね?」
美咲先輩は詰め寄るように僕に言った。
「怖いです先輩」
「私もがんばるからさ…一緒に、がんばろ?」
…その顔は、反則です。
「…まあ、やらなきゃしょうがないですからね」
僕はその日から、美咲先輩と一緒にサンタデーに働くこととなった。
美咲先輩は忙しいながらも僕に協力してくれて、お金は着実に貯まっていった。
…そして、時は過ぎあっという間に6月になった。