ぼんピー

「お、おおう! オレの名前は工口 好(くぐち こう)だ! 決してエロ好き(えろずき)って読むわけじゃないから、気を付けてなっ! 
 ……まあ、でも好きか嫌いかっていったら大好きだ! そんな自分の名前や心に正直なナイスガイな俺を一つよろしく!!」


 突然の自己紹介でとまどった好だったか、直ぐに自分をもと昨晩の練習の成果を発表した。


「その自己紹介みんなの前でやらなくて正解だったわね」


「えっ?」


 結果は無残なものだったようだ。


「あ、二人だけずるいな、ボクも混ぜてよ」


 二人の自己紹介を見て自分をもと、二人の間に割って入る要。


「ボクの名前は衛守 要(えもり かなめ)。 まあ、好ちゃんの親友であり相棒ってことでよろしくっ」


 好の肩を抱き寄せてニタッと笑う。


「ただの悪友だろっが……っ」


 好は、ええい、放せっと、要の腕を振りほどこうとジタバタしだした。


(……えもりかなめ? どこかで聞いたこと……)


《キーンコーンカーンコーン》


 千夏が何かに引っかかっている時に、丁度HRの終わりを知らせるチャイムが鳴る。


「は、な、さ、ん、かっ!」


「まあまあまあまあまあまあまあまあまあまあまあまあ」


 小競り合いを続ける二人を見ながら首をかしげる千夏だった。