ぼんピー

「馬っ鹿野郎おおおおおおおおおおおううううううううぅぅぅぅぅぅっ!」


「い、いたっ! 痛い、痛いっ! 何この叫び声とは対照的な、すねを軽く蹴るという地味な攻撃っ!! と、とにかく落ち着いて!」


 蹴られたすねを押さえながらも、懸命になんとか好をなだめようとする要。


「これが落ち着いてられるかっ! 
 いいか、お前みたいに何もしなくてわんさかおなごがよって来る奴とは違ってな!
 オレみたいなナイスガイなのに何故かモテない不幸な男は、こういうことを一つ一つ大事に大事に大事にしていかないといけないんだよっ!!」


 分かったか!と、好は血の涙を流しながら、大事を三回強調しつつ要を説教した。


「と、とにかく大事にしていることは分かったよ」


 あまりの必死さにちょっと引いてしまった要。


「…………」


 あ、ちなみに女の子はマジ引きです。



「……ハァ。これぐらいのペナルティは当然だろ。それにあんな遅刻の仕方したんだ、クラスの奴らには充分印象に残っているから安心しろ」


 教室に入りかけた先生は足を止めて、肩越しから暴走中の好を面倒くさそうにたしなめる。


「……えっと、この後のHRは本当に出たらダメなんですか?」 


 好のせいで出遅れてしまった女の子も少し納得がいってないようで、もう一度先生にこの後の事を確認した。


「安心しろ。お前達の自己紹介は明日の朝のHRでちゃんとさしてやるから」


 じゃあ、しっかりと反省するように。と、先生は今度こそ本当に教室の中へ入っていってしまった。


「ちょっと待ってくれよおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!」



 好の叫び声が廊下中に響きわたったのでした。