ぼんピー

《キーンコーンカーンコーン》


「む、もう時間か。それじゃ教室に移動するぞ」


（やっと終わった……）


　先生の説教が終わりホッとした三人は、早歩きで動きだした先生の後ろをついていく。


「この後はたしかＨＲでしたよね？」


「ああ、そうだ」


　先を歩く先生の背中に質問をする女の子。


「どんな人達がいるだろうなぁ……」


「確かにどんながかんじだろうね、好ちゃん？」


「ふっ、少なくとも三人はかわいい子がいたな」


「……ちゃんとというか、ちゃっかりチェックしてたんだね」


「最低ー」


「ふっふっふ」


　三人とも入学式ではドタバタしていた為、クラスメイト達をじっくりと見れていなっからしく、まだ見ぬ学友に会うことに心をおどらせているようだ。


「ついたぞ、ここが今日からお前達が一年間お世話になる教室だ」


　そして、そんな三人の期待に応えるかのように１－７と書かれた教室の前で立ち止まり紹介をし始めた先生は、


「それじゃお前たちは廊下に立ってろ」


　そのまま教室の中へ消えていってしまった。



「え？」
「い？」
「ちょっとまってください。ＨＲはどうするんですか。ＨＲには当然自己紹介がありますよね。まさか自己紹介という女の子と仲良くなるための大事な大事なつかみの場を俺から奪い取るというんですか。そういうことだったらこちらにも考――」


「て、早い早い！　好ちゃん会話のラリーを一つ飛ばしちゃってる！　後、目も怖いよっ！」