ぼんピー

「前代未聞だぞ。入学式に遅刻してきた入学生達が校長先生の式事の邪魔をするなんて」


「「「……すみません」」」


　遅刻してしまった三人は腕を組んだ先生に廊下に並ばされ仲良く説教をされていた。

　眉間にしわを寄せた眼鏡をかけた男の先生はいかにも仕事のできそうな風貌をしており、見た目は二十代後半で眼鏡をかけた先生である。


「もっとそっと入ってくればいいものを……。なんだっあの、遅刻しました！と、大声で扉あける漫画のような登場のしかたは」


「「……すみません」」「（ﾌﾟｯ）……」


「どうかしたか、日向（ひなた）」


「いえ、すみませんっ」


　先生がいうことに、確かにと、納得して思わず笑ってしまった女の子。


「いっとくけどお前の声が一番大きかったからな」


「す、すみません！」


「「く、く……っ」」


「お前達も笑うな工口（くぐち）、衛守（えもり）」


「「はい！」」


　慌てた女の子を笑ってしまった好と要も一緒に注意されてしまう。


「しかもその三人が全員私のクラスになる生徒とは……」


　「今日の運勢、ふたご座一位だったんだがな……」と、嘆息する先生をしり目に、女の子は好達を思いっきりにらみつけていた。