ぼんピー

「ちゃんと反省してる?」


「……はい、してます」


 これでまた女子全員を敵に回して、女の敵みたいな目で見られる学生生活を送るんだな。


 シクシクと、心の中で大量の涙を流し、完全に自分の夢を諦めかけた好……、

 だったのだがっ、女の子から予想外な答えが返ってきたのだ……っ。





「よし、なら許す!」



「(シクシクシク)………………へ?」


 女の子からのまさかな答えに、思わずすっとんきょうな声をあげてしまう好。


「……本当に?」


 それは要も同じだったらしく、目を大きく開けて驚いていた。


「その紙……」


 女の子が地べたに落ちていた好の鞄に指を指す。


「紙?」


 好はつられて見てみると、好の鞄からは新入生に前もって送られていた、手引きの紙がはみ出ていた……。


 おそらくドタバタやってる間に、鞄が開いてしまったのだろう。




 女の子はニカッと笑い、


「その紙持ってるって事は、あんた達も私と同じ一年生でしょ……っ?
 今日から同じ学校に同じ学年で通うんだから、特別にねっ」


 と、曇りのない晴れた顔を好に向けた。



 その、さっぱりとした爽快な感じは、女の子にはとても珍しく、


「でも、さっきも言ったけどちゃ~んと反省するように! 今日は本当っに、特別だからっ」


「……りょ、了解」


 しかし、しっかりと女の子の魅力を持った、綺麗な笑顔だった。







……………………

……………

……




《キーンコーンカーンコーン》


「キャーッ!」
「ギャーッ!」
「ニャーッ!」



 学校のチャイムで自分達の状況を思い出した三人は、みんな仲良くダッシュで学校に向かいました……。