「それに、さっきも言ったけど、その内の10キロはバス通学だしよ」


「それでも、だよ。この高校選んだ理由だって50メートルプールがあって、スクール水着をたくさん見るためでしょ?」


「バカ野郎っ! オレはスクール水着だけじゃなく、競泳水着も存分に楽しむつもりだっ!」


「……そう」


 要は何故自分が怒られたのか良く分からなかったが、取りあえず黙っておいた。


「中学の時だって覗きの常習犯で停学六回くらってたし」


「停学じゃなくて、出席停止! 何回も言わせんなっての」


「どっちでもいいよ」


 今回は黙らなかった。




「てか、勘弁してくれ。これから始まるであろう、オレの華やかな高校生活にそんな汚い過去はいらないから」


「あら、そう?」


 一応好自身、悪い事をしたという自覚はあるらしい。

 相変わらず絶景を見ているので、反省はしてないのだろうが。


「まぁ、その行動力のおかげで、ボクも満足出来ちゃってるから全く問題ないんだけどね」


「だろっ? お前も一緒に散々美味しい思いしてきただろ?」


「うんうん」


「そのくせ見つかるのはいつもオレ――」


「野球のね?」


 要はニタッと笑い、好の話をさえぎった。