10分後
いつも行っている小児科についた。
この年で小児科って…

やだな〜と思ってるうちに、受付が終わり、名前が呼ばれた。

「五十嵐さん。五十嵐柚ちゃん。」

私は、とぼとぼ歩いて診察室へ向かった
いつもお母さんには、待合室で待っててもらう。


診察室に入ると、そこにはいつものおじいちゃん先生ではなく、若いイケメン先生がいた。

えっ‼いつもと違う先生だ…どうしよう
でも、かっこいい…

「こんにちは、そこ座ってね。」
先生は笑顔で言った

優しそう…

「前の先生に変わって柚ちゃんの主治医になった端山翔です。で、今日はどうしたのかな⁇」
「熱があって、喉のが痛いです。」

私は、正直に答えた。

「じゃあ、診察しよっか。服上げて。」

えっ、やだよ〜。どうしよう

「どうしたの?怖い?大丈夫、もしもしするだけだから。ね。」

「…頷」
頷いたけど、やっぱりやだな〜

「ちょっとごめんね〜。じゃあ、深呼吸できるかな?」

「スー…ハー…スー…ハー…」

「はい、いいよ。出来るじゃん!
次は、あーんして。」

「ふぇ…涙」
突然で間抜けな声しかでなかった。

「大丈夫大丈夫。痛いことないからね」

小さくでも開けてみよう。
そして、私は、小さく口を開けた。

「おっ‼偉いね〜。もうちょっと大きく開けられるかな?」

あと少しだけ大きく開けた。

「いいよ。やればできるじゃん!」
次は、何するのかな…?
はぁ、やだな〜

「じゃあ、熱高いから注射しとこっか」
「えっ‼嫌だ……注射しない‼涙」
何で注射するの、も〜やだよ。

「ちょっとチクッてするだけだからあと少しだけ頑張ろう、ね。」

「いや〜グズッ…グズッ泣」

「泣かない泣かない。泣いてても終わらないからもうやっちゃおっか‼」
えっ‼もうやるの〜

「だめ‼泣」
「大丈夫、ちょっとごめんね〜」
チクッ
「いや〜痛い。もう終わり〜号泣」
「はい、終わり。よく頑張ったね撫」