「二戸っ……!!」
向かいの待合室に、二戸は座っていた。
その姿を見て、胸が痛んだ。
「風志?」
俺が入ってきたことに、驚いたようだった。
「どうした、お前…すごい顔」
気がつけば泣いてしまっていたようだ。
「さては、読んだな…?」
呆れたように、またいつものようにカラカラと笑った。
その笑いかたが、好きだった。
俺に居場所を、与えてくれているようで。
その柔らかい髪が、風に揺れるのが好きだった。
「照れるから、やだったのに」
大雑把だけど、お前は優しい。
俺の名前を、かっこいいと言い、子供につけると言ってくれた。
好きだ。
ずっとずっと、好きだった。
俺の青春。
初恋。
二戸。
大好きだ。
「二戸、俺………っ」
俺たちの道は、俺たちで作るものだ。
自分で選んで、自分で進んでいく。
湾曲して、幾多に別れ、つながり、ときには戻ったり。
だから、寄り道をしてもいいだろう?
少しだけ、立ち止まっても。
ほんの少しだけ、誰かの道に近づいても、いいだろう?
「お前のこと、ずっと…
大好きだった!」
ボーイズ ・ビー・アンビシャス
"少年よ、大志を抱け"
いま、この一瞬のときのために。
fin.


