思えば、俺の三年間のうちの半分以上を二戸と過ごした。
俺が高校生活で、得たもの。
受験で得た、学力。
ギターテク。
そして、
二戸への想いだ。
自分がこんな恋心を持つなんて、思ってもみなかった。
いつかの歌を思い出す。
"こんな想いをするならば、恋なんてしなければよかった"
違う。
俺はきっとそう歌わない。
確かに、楽しい思い出ばかりではない。
二戸を、好きになって絶望もした。
女子に対して嫉妬もした。
奴に笑いかけられると、罪悪感が芽生えた。
それでも、だ。
あいつを想った時間は無駄ではない。
なければよかった、なんてそんなことは決してない。
どんな思い出でも、俺は忘れない。
辛かったことも、苦しかったことも、二戸を、想っていた証拠だ。
そんなことでさえ、愛しいのだ。
忘れられるわけがない。
待合室のベンチに腰掛ける。
中途半端な時間のせいか、人はあまりいない。
ふと思い出して、アルバムを取り出す。
あいつが最後に書いた言葉は、なんだったんだろうか。
パラパラとめくる。
中は既に学校で見ていたので、とばした。
俺のアルバムの寄せ書きのスペースは、二戸のようには埋まっていなかった。
仲の良い数人だけだ。
なぜかそのなかに手島こずえのものも入っている。
"大学でかわいい彼女つくるんだよ!!"
余計なお世話だ、ちくしょう。
あのあとも手島とはなにかとよく喋る仲になっていた。
これも二戸のおかげというか、だ。
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