「…ぷっ、ははっ!!」
「…」
「おまっ、なに泣いてんの!…ははっ」
笑われるなんて不本意だ。
「おーーい!!見ろよ!風志、泣いちゃってるぜー!」
「おまっ、ふざけんな!!」
立ち上がって大声を出した友人に膝蹴りをくらわす。
うおっ!と声を上げてぴょんと逃げた友人は爆笑している。
ごしごし、と目をこする。
「風志、よかったな」
「…おう」
それから数人に泣いたことをからかわれたが、無視して帰り支度をして立ち上がった。
情報演習室を出ると、親にメールを打とうと携帯を開いた。
受信ボックスを見ると、メールが2通きていた。
一件は母親からだった。
そしてもう一通は、二戸からだった。
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from 二戸航平
件名 無題
どうだった?
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二戸はもう大学の部活の練習に参加していた。
なかなか過酷らしく俺も勉強があったから、最近はほとんど会っていなかった。
返信を手早く打つ。
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to 二戸航平
件名 Re:
春から東京だ。
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外に出ると、冷たい風が強く吹いた。
校舎を振り返ってみる。
何とも言えない気持ちになる。
この土地を離れるなんて。
毎日のように、二戸と顔を合わせていた日々がなくなるなんて。
なんだか不思議な気分だった。
数日後には、卒業式を控えていた。


