”856”
あった。
俺の、受験番号だ。
あった。
手元のプリントと確認する。
間違いない。
俺は、ここから離れる。
二戸と、離れる。
「………っ」
嗚咽が漏れそうになり、慌てて口を塞いだ。
目頭が熱い。
のどがきゅう、と締まって痛い。
二戸。
今、お前と俺の道は確実に離れた。
お前と出会ってからの二年間なんていう短い間に交差していた道が、今。
離れてしまったよ。
こらえきれずに顔を両手で覆う。
二戸。
俺は、東京に行く。
不思議だ。
何度も何度も想定したことだというのに、実際に起こってみるとこんなにも、胸が痛い。
ああ。
ああ、好きだ。
「風志ー、どうだった?」
後ろから腕を肩にかけられた。
さっきまで机につっぷしていた張本人である。
「お前は?」
顔に手を当てたまま、返事する。
「俺?落ちてた落ちてた。浪人だぜーーはは」
声は明るかったが、きっとへこんでいるのだろう。
そのすぐ後にため息が聞こえた。
「風志は?どーせ受かってんだろ?」
「…うん」
落ちた友人を前に言うのもためらわれたが、嘘をついてもしょうがない。
「っだーーー。いいな、ちくっしょー」
そう言って俺の背中に激突した。
両手で顔を覆っている俺はなす術無く衝撃で机に頭をうった。
「ってえ…」
「わり。てゆーかなんで顔隠してんだよ、オラ」
無理矢理腕を掴まれ、顔から引きはがされる。


