先生は、驚いていた。


 けど。


「それでも、付き合えない。小泉が、好きだから。」


 先生の考え方は、理解できない。


「……やっぱり、好きじゃないんじゃん。」


 ふと、呟いた。


 すると、先生に、何かのスイッチが入った。


「じゃあ、好きだってこと証明してやる。」


「はぁ?何言って…んっ……」


 いきなりだった。


 何が何だか分からなくて。


 でも、あたしの唇に触れる温かさは。


 明らかに、先生だった。


「んんっ……はぁ……ちょっ……」


 だんだん深くなっていく。


「せんせっ……や……止めて!!」


 頭がこんがらがっていたあたしは、先生を思い切り押した。


「……なんだよ」


「だだだだって!!初めてなんだもん!こんなの。」


 先生が、好き。


 でも、今のは嬉しいとかじゃなく。


 『驚き』だった。



「でもこれで、俺の気持ち分かっただろ?」


「……はい。」


 先生の瞳も。

 行動も。

 顔も、声も。


 全て、本気だった。


 先生は、からかってるとかじゃなく。



 本気で、あたしが好きなんだ。