今の言葉は、何よりも辛い。

 あたしのことなんて考えなくていい。

 変な気遣いとかしないで、振ってほしかった。


「……つまり、あたしのことは、ただの生徒だから好きにならないってことですか。」


「……違う。」


「はっきり言って。あたしは大丈夫……」


「違う!!」


 驚いた。

 先生が大きい声を出したから。


「俺は……!俺は……」


 先生はそう言うと、いきなりあたしの右腕を掴んで。


 抱きしめてきた。


「……せんせっ?」



 なんで?


 紛らわしいことしないでよ。



「どうしたらいい?」


「……何が。」


「小泉のこと、生徒として見れないんだ。」


「えっ……」


 ドキって、心が大きく跳ねた。


 だから、紛らわしいんだって。


「先生、思ってもないこと言わないで下さい。そのたびにあたし、好きになるんだよ。」


 期待しちゃうの。


「あたしのこと好きなのかなって考えちゃうの……」


「そうだよ。」