涙は、止まらなくて。


 でも、ドキドキは加速していく。



 あぁ、もうなんでそんなにあたしを惚れさせるの?

 優しすぎる声。

 カッコ良すぎる顔。

 なのに、甘くて、愛する人を見るみたいな瞳であたしを見る。

 意地悪で、ドキドキする言葉。

 先生とは思えないことばっかする。



 止まらない。止まらない。


 この気持ちは、泡のように、触れたらパンッって弾けて消えるもの。

 些細なことで、ドキドキが、痛くなる。


 あたしの心を、ブランコの様に揺らす先生が。


 好きで好きで、仕方ない。



 止めどない涙も、想いも。


 口に出てしまいそうだ。


「えっ」


 先生の、驚いたような声が聞こえた。


「も、もう一回言って?」


 何のことだ?


「何のことですか?」


「今、言ったじゃん。俺のこと……」



 嘘だと思った。


 本当に、口に出てたなんて。




「好きだって。」