「ほーたーるー!!」


 教室に入ってすぐ、真心に抱きしめられた。


「あははっ」


「もう、笑いごとじゃないよ。本当に、本当に、心配だったんだよ?」


 席についてから、真心は何度も、心配と言っていた。


 いい友達だな……


 そう思いながら、真心に言う。


「ねぇ、真心。ちょっと相談があるんだけど……」


「うん、いいよ。放課後空けとく!」


 真心は、あたしがあまり説明しなくても、思っていることをきちんと分かってくれる。


「なに~?もしかして好きな人でも出来た?」


 真心が冗談で言う。

 でも、まさにその通り。

 そして、それを相談する気だった。


 あたしの顔が熱くなっていく。

 きっと、すごく赤いだろう。


 真心は、あたしの顔を見ると驚いたように目を見開けた。
そして、顔を曇らせた。


「そっかぁ。うん、今日は真面目に聞くからね。」


「真心……」


「はーい、座れよー!」


 先生の声で話が終わり、近いけれど立っていた真心は座った。


 10分休みが終わったようだ。


「えっと……まず自己紹介からだな。このクラスを受け持つことになりました、池谷瞬です。担当は……」


 先生は自己紹介をしだした。

 さっきと同じような自己紹介だけど、さっきよりも先生は笑ってなかった。


 あたしだけ、特別だったら……