「はぁ?何言ってんだよ。こいつのせいで……」


「分かるの!!」


 分かる。

 分かるんだよ、実花さんの気持ち。


 ずっと、考えていた。


 好きなのに、なんでこんなに酷いことが出来るんだろうって。


 やっと分かった。


 好きだからだ。


 だから、こうなっちゃうんだよ。


 好きな人のことを考えて、考えて、考えて……


 好きが、暴走したんだ。


「実花さんの気持ち、よく分かるの……」


「何言って……」


 先生も、実花さんも、あたしの言葉に驚いていた。


「こんな姿にさせられて、更に殺されかけて。嫌だ。怖い。でもね、分かるの、実花さんの気持ち。」


「どういうこと?」


 実花さんが驚いたように言った。


「本当は、こんな自分が嫌だって、したくないって思ってますよね?だって、病院にいるって言った時、驚いていましたし。」


「……」


「でも、好きだから。こっちを向いてほしいから、止まらない。違いますか?」



 違ったら、もう分からない。


 けど、あたしは胸を張って言える。


「……なんで、分かったの?」


「あたしも、そんなことあったから。行動には移さなかったけど、殺意が沸いてた。好きだったから。辛いですよね。苦しくて。自分が嫌になりますよね。」