ダメだと分かっていたけれど。



 水を入れ、花を飾る。


 コルチカムという紫の花。


 花言葉は、『華やかな美しさ』。


 蛍ちゃんには、ぴったりの花。

 顔も、心もきれいすぎる。


 見ているだけで、眩しい。



 あとは、アルストロメリアという花。

 花言葉は、『幸福な日々』。


 ごめんねという心も入れた。

 これから、幸せになってほしいから。



 そして、病室へと戻った。


 けれど、そこには先客が。


「俺も、好きだよ……」


 この声は。

 間違いなく瞬だ。


 なんで?


 しかも、好きって?


 開いたドアの陰に隠れて、見る。



 ゆっくりと、瞬が寝ている蛍ちゃんに近寄って、キスをした。


 一気に心が変わる。


 信じられない光景に。


 私はもう、許すなんて出来なくなった。


 パリーンッ


 手から落ちた花瓶が割れる。


「み……か……?」


 なんで。

 なんで、私じゃないのよ。