許せない。


 蛍ちゃんが許せない。


 何故か、私は私じゃなくなった。


 こんな風に、なりたくない。

 でも、もうコントロール出来ないよ。


 好きなのに。

 好きだから。


 暴れた思いを抑える方法を、私は知らない。


 私は、今日も殴ろうと考えていた。

 電話をする。

 でも、蛍ちゃんから聞いた言葉は予想外で。




 私のせいだと思った。


 私が昨日、あんなことをしたから。


 もしかしたら、ううん、もしかしなくても、私のしたことは、犯罪だ。


 やっと、我に返った。


 蛍ちゃんに謝りに行こう。


 そして、警察に言ってもらっていい。


 それ位のことを、私は蛍ちゃんにしたんだから。


 私は、病院へ向かった。


 蛍ちゃんの病室に入った時、蛍ちゃんは寝ていた。

 起こすのも悪いと思って、来る途中で寄って買った花を入れるために、洗面所に向かった。



 ジャーーッ


 花瓶に水を入れながら、思った。


 ごめんね、ごめんね。

 少し見た、アザ。

 女の子にとって大事な顔も、痛々しくて。

 ごめんなさい。

 私のせいだ。

 どうして、私は自分を止められなかったの?

 あの、痛そうな顔を見て、どうして笑っていられたの?