実花さんの声は、いきなり変わった。


 驚いたような声。


「どこの病院?」


「えっと……三倉市立病院です。」


「……そう。じゃあね。」


 プツッ


 実花さんは、意味を理解したようで、電話を切った。



 そういえば、実花さんって先生のこと好きなんだよね……


 あたしと同じ。

 でも、理解できないことばかり。


 今なら。


 今のあたしなら、頑張れば実花さんの気持ちを分かるかもしれない。



  そんな気が、するんだ。