家族会議は終わって、あたしは家族の大事さを改めて知った。


 知っていたつもりだったけど、全然だったな。


 今回の家族会議で、

 あたしはきちんと頼ること。

 自分がこんな風になる前に頼ること。

 そして、たまに、家族会議を開くことを約束した。




 お父さんは、あたしを自分の病室へと返すと、ベッドに寝かせ、お母さんのところに戻って行った。



 ベッドに入って考える。


 真心に、謝りたい。


 だって、頼んなかった。


 あたしは、一人で大丈夫だと強がっていた。


 でも、こんなことになって。

 痛々しい体になった。


 こんなの、真心が見たらどう思う?


 ……きっと、傷つくにちがいない。


 あたしは、一人の人のために周りを傷つけている。


 そんなあたしに、みんな離れていく気がした。


   でも。


 みんなはそんなあたしを受け入れてくれて、守ってくれた。


 あの時からずっと。


 『守る』なんて大口叩いてるけど、あたしはみんなに守られていた。


 守りたい人がいる。


 でも、それと同じように、傷つけたくない人がいる。


 あたしは、どうしたらいい?


 不安定な心は、黒い渦に包まれた。