「……っ……」


 あれからすぐ、瞬は大学を卒業した。


 あんなサイテーなやつが、私の遠くに行って、悲しくなった。


 サイテーでも、隣にいてほしくて。


 だからあの日、告白したんだ。


『あなたじゃなきゃ、嫌なの……』


 ……って。



 でも、瞬は。


『俺、どうしても気になる女がいるんだ。ごめん。』


 そう言って、私をフッた。


 あの、瞬が。


 気になる人……?



 急に、ムカついた。


『お願いっ……捨てないでっ……』


 なんて、恥ずかしいことを言ってるのに。


 瞬にも、その瞬が言う、女も。


 なんなんだよ……


 瞬と別れて、一人で立っていたら。


『あの……』


 って、声をかけられた。


 目の前には、見知らぬ男の子が。


『なによ……』


 涙を拭って言った。


『俺、あの人の気になる人、知ってますよ。』


 絶対、怪しい……