電話が鳴った。


 携帯には、『瞬』の文字。



 もしかして……


 私のこと、好きでいてくれてるのかな……


 なんて、淡い期待も簡単に消された。



「もしもーし♪」


「実花、気分良さそうだな。俺もなんだ。今から俺ん家来いよ。」


 やっぱり、私のこと……


「行く行く!!」


 すぐにオシャレして、家を出た。




「よぉ。」


 瞬は、笑って私をリビングに入れた。


「実はさ、俺やりたいこと決まって……」


「うん。」


 いつ、おめでとうって言ってくれるのかな……



 そう思っていたら、


「そろそろ遅いし帰れば?」


 なんにも言わないで、瞬はそう言った。


「瞬……それだけ?」


「それだけって……なんかある?」


 嘘でしょ……?


「ほんとのほんとに……?」


「しつこいな。なんにもないだろ。」


 胸が、はち切れそうになった。