「ねぇ、蛍ちゃん?私、許せない。あなたを。」


「……あたし、なにかした?」


「フッ。まさか、分からないの?」


「あたしには、実花さんの考えてること、分かんない。」


「そう?意外と、似てるかもよ?私達。ほら、この前のカフェも。」


「あたしは、実花さんとは違う。先生のことも、陥れようなんて、思わない。」


 あたしだって、強いんだから。


「……ふざけんなっ!!」


 実花さんはそう言うと、あたしの頬を、平手打ちした。


 そして、男の人に、あたしを車から降ろすように言った。


 降ろされる前。


 ふと聞こえた声。


「今度なにかしたら……殺すから。」


 恐怖が、あたしの心をいっぱいにした。


 車から降ろされて、男の人も車に乗り込んで、車は、あたしの前から姿を消した。