「んっ……」


 目をゆっくり開けるとそこには、見覚えのある白い天井。



 あたし、確かさっきまで体育館にいたよね…

 その後どうしたんだっけ……


 あっ、そうだ。倒れたんだ。


 誰かが運んでくれたのかな……

 教師とかはマジないな。



 なんて考えながら、寝返りを打つ。


「えぇ!?」


 寝返りを打った先には、信じられない人がいた。


「ん…?あぁ、小泉か。はよー。」


「はよーじゃないですよ、先生!」


 ここからは見えないが、おそらく椅子に座っているであろう人。

 今日、朝見たイケメン先生だった。


 寝てたらしく、のん気にあくびをしている。



 何故寝ている……?

 いや、なぜいる…?


「なんでここに……。始業式でしょ。どうせ新任のくせに……」


「どうせって、ひでーな。ま、そーだけど。そら、生徒倒れたのに普通に始業式で挨拶とか無理だし。」


「えっ……そっか、うん、教師だしね。」


 あれ……なんで残念とか思ってんだろ……


「俺の名前とか、クラスの生徒が知ってたら十分だし。」


「先生は、あたしを優先してくれたってこと?」


 スルッて、思ってた言葉が出た。


 やば……なに言ってんの、あたし。