「はい、8時40分から体育か……」


「せんせー、質問!」


 黒板に文字を書き終わって、こっちを向いて説明しだした先生の言葉を遮る男子の声。


「ん?なんだ?」


「先生、ここのクラス担当?ってか、去年いたっけ?」


「あぁー……あとで、分かるよ。」


 先生は、そう涼しく言って笑ったから、女子が「きゃー」と言い出す。


 …なんだこの、モテ教師。


 カッコいいけれど、尋常じゃないモテよう。


 あたしは少しこの教師を呆れた。

 先生でしょ……



 そんなことを考えてたら、あっという間に体育館に来ていた。

 あのイケメン先生は、もういなくなっていた。



 にしても、少し熱っぽいかも……

 昨日、寝るの遅かったから疲れてるのかな……?


 んー、なんかえらい……


 あ…れっ……?


 視界が、だんだん……



 バタッ



「ちょっ!蛍!?」